口ではどんな事を言ってたって姿を見つければ胸が高鳴るし、声を聞けばその声で私の名前を呼んで欲しいとも思った。(あぁなんて正直なんだろうか。私の心臓は!!)そりゃぁ、有り得ないなんて事は百も承知だし!そんなこと分かってるんだ・・けど!(やっぱり期待しちゃうって言うのも乙女心だと私は思うのです・・よ・・・!)





さ・・ん!!」
「ん?どうしたの」
「あ、のさ。雲雀さ・・・、」
「ねぇ、君さもっと早くできないの?」
「うわ・・」





なんでいるんですか、雲雀恭弥くん。(いやいやいや、そうじゃないだろ自分)委員長に声をかけられ振り向くと委員長の後ろから恭弥が顔を覗かせる。(あーあー、かわいそうに、確実に今日は夢に見るよ!)(何をって?もちろん恭弥の事に決まってるじゃん!)恭弥って本当に何者なんだろうね…、並盛のボス…とか?とても平凡な並盛って感じじゃないよね!!
恭弥は私の言った一言が気にくわなかったのか眉をひそめてツカツカと私に近寄る。その隙に委員長は逃げる(その反応が普通は正解なんだろうなぁ……)





「…、うわって何」
「いや、別に何も言って無いけど恭弥にはそう聞こえたんだね。へぇ?」
「ワオ、君、僕に逆らう気?」
「いーえ、そんな気滅相もありませんよ?」
「・・・そう」





あれ、珍しいぞ!!恭弥がすぐに引き下がった…!!(天変地異の前触れ…!!?)(いやぁ、そんなまさかね!)ハァって恭弥が大きな溜息を吐いた。あれ、私が何かしたの・・・?おっかしいなぁ・・・・・、全然覚えないのになぁ…!





「行くよ」
「え?どこに」
「応接室」
「え、なんで!!?」





ピタリと立ち止まってまた大きく溜息、あれ、ちょっと待って?本当にあたしが何かしたの……?私昨日はたしか家に帰ってからゲームして、お風呂入って寝て……、うん。何も無かったハズだよ!





「・・・から勉強教えろって言ったんでしょ」
「・・・・・あ」
「馬鹿だね、本当」
「馬鹿は余計ですーっだ!!」
「・・・咬み殺されたいの?」
「もう、殺すなんて物騒だなぁ・・・」










家が向かい合わせの私達は小さい頃からずっと一緒で(恭弥の小さいときの写真とか家にあるからね、ある意味プレミア物だよね)世間一般で言うところの幼馴染みとかいうやつで。多分、並盛で恭弥に反発出来んのは私くらいじゃないかななんてね!(私のプチ自慢なのです……よ!)
しかし、最近その関係に嫌気がさしてきた訳で。何でかって言えば、幼馴染みは幼馴染みでしか無くて、恋人とか、彼氏と彼女の関係にはどうあがこうとなれないからである。つまり………





(私が恭弥の事を好きだって事)





本当、何を血迷ったんだ私。他にも良い男はいっぱい居るぞ!(ほら、たとえば2Aの獄寺君とか何か怖い感じだけど顔はいいし、同じく2Aの山本君もさわやかスポーツ少年って感じでかっこいい上に性格良さそうだし!あとあと、3年だったらB組の佐々木君とかサッカー少年でやたらとかっこいいのに!!)何で私は恭弥なんだろうかな。いや、でもたしかに恭弥を見ると胸が高鳴るし、きっとサラサラな黒い髪に触りたいって思うし、声を聞くとその声で私の名前を呼んでほしくなる(あれ、しまった!なんかこれじゃぁ変態みたいじゃん!!)





「ねぇ、……、聞いてるの?」
「……、ごめんなさい」





恭弥に見惚れてて全然聞いてませんでした。なんて言えるハズも無くて。(恥ずかしくてそんな事言えるかコノヤロォオオ!!)教科書を眺めるフリして恭弥の様子を伺う。(うわなんだよこの子、不機嫌だよ)あたし何かした!?・・いや、この場合はなんかしてんのか。せっかく恭弥が勉強教えてくれてるのに話聞いてないしね・・・!





「…もう終わるよ」
「やだ」
「・・・話聞かなかったら意味が無いじゃないか」
「………うん」
「第一、から誘ったんだからしっかり勉強しなよね」
「分かってるよ!恭弥の説明が難しいんだっての!」
「ワオ、そんな事言うのはこの口かい?」
「いひゃよ!はなしぇ!!」
「不細工だね」
「……ッ最悪だね!!恭弥は私の事絶対女と思ってないよね!」
「・・・まさか」
「は?」





恭弥に引っ張られたせいでヒリヒリ痛む両頬をおさえて恭弥を見るとどこか呆れたような顔をして私の顔を見つめていて。(今度は何もしてないのに・・!!)(本当に!!)





「本当、って鈍感だよね」
「・・何が・・・!」
「まぁ、それは昔から分かってた事だけどさ限度があるだろ」
「・・・(何言ってるか分からないっつーの)」
「いつも大事な話は聞いてないしね」
「だから何が……、!」





ちょ、ちょ、ちょっと待って!ぐいって手引っ張られて、突然恭弥の顔が突然ドアップになって、唇に何かが触れて………。あれ、これってもしかして、キスしてるとか・・・?私と?恭弥が?(ありえない!)(ていうか私の心臓がもたないって!!)
それは一秒にも満たない時間だったのか一分を越える時間だったのか、分からなくなるような。(いや、ただ唇が触れてただけだけど)(だから心臓もたないって!!)





「……ちょッ!恭弥今何やった?!」
「さぁ?」
「“さぁ?”じゃないよバカーー!!」
「何、嫌だったの?」
「いや、別に、嫌では・・・って何言わすの!!」





不適に笑った恭弥にキュンとした私はやっぱり末期だと思うんです……よ!(いやこれは冗談抜きで本当に!)
とかなんとか思ってるうちにもう一度キスされて私の顔を覗きこんで恭弥が囁く。(顔近い!近いよ恭弥!!)(私の顔はありえないほど赤いんだろうな、うん)





「ねぇ、僕の言いたい事、分かるよね?」
「……ッ」
「好きだよ、
「・・ったしも・・・」
「君は?」
「私も恭弥が好き…、だよ!」





やっぱり私が恭弥に敵うことなどないのかなぁ、なんて悟った15の昼の出来事でした。










人は
それを

と呼ぶ










(060812) あぁファーストキスの味はレモン味じゃなかったのね!!