泣いてしまえ。
声をあげ、しゃくり上げ、子供の様に泣いた
何時までたっても、好き。あいつが、嫌になるくらい。
(泣きそうだ)
両手で抱え込んだ膝に頭を沈めた。窓の外は満天の星。もう、こんな時間になってしまったのか。いつから、自分の部屋に篭もりはめたんだっけ。
鼻の奥が、ツンとした。目の奥が熱くなって、溢れそうになった涙を咄嗟に飲み込んだ。嫌なこった、泣くもんか。
コツン
窓が音を立てた。何かがぶつかったんだろうか。よろよろと歩くと、窓を開けた。
「おーい、何してんだよっ!」
「なによ・・・、あんたか」
窓を開けると隣の家の、奴。幼なじみで、クラスメイトで、あたしの今の思い人。
窓から窓を渡って相手の家に入れる距離に居る隣人は何かを思いついたのか企んだ様に、にぃっこりと笑った。・・・こいつがこんな笑い方をする時は良い事なんか今まであったことは無い。嘘偽り無しで悪い事ばっかり起きる。
「はっはーん、泣いてたんだ」
「泣いてないわよ」
(まだ、泣いてないわよ)
心の中でそんな付け足しを加えながら小さく笑って見せた。空は、満天の星空。
「なんだ、つまんねーの」
「あたしが泣いたら楽しいんだ?」
へぇーっと意地悪く笑って見せると焦った様子で言い訳を始めた。
「お前、俺には頼ってくれねぇじゃん?」
「だから、たまには俺にも頼ってくれよな!」
そう言って、笑顔。ムカツク、ムカツク、ムカツク。どうしてなのよ。どうして笑うのよ。あんたにはあの子がいるでしょ。分からないから、ムカツクのよ。
「なんで・・・?」
「は?なんでって・・・?」
「幼なじみだから?なんで?」
ズキン、ズキン
自分で言って胸を痛めた。馬鹿みたい。墓穴だよ。【幼なじみ】って言葉は、大嫌いだ。
「ヤキモチ?」
「・・ッ、うるさいっ!」
ぱちん
「あ・・・、ごめ、ごめんっ・・」
「ちょっ、まてよっ・・・」
逃げた。勢いよく窓を閉めると、ずるずると壁を伝って冷たい床にしゃがみ込んだ。
(なにやってんだ、あたしは)
まだ、熱が篭もっている。顔が火照って、熱い。カァァッと体に、頭に、血がのぼった。あいつの頬を叩いた手が熱い、じんじんと熱を発している。
(馬鹿だなぁ・・・)
図星を突かれたからって叩くことは無いだろう。
(あぁ・・・、本当に泣きそうだ)
鼻の奥がツンとして、目が熱くなった。手があたしを責める様に熱を持って、心が痛い。涙が、零れて来そうで、溢れそうで・・・
(あぁ・・、馬鹿だなぁ・・・)